【コンクールレポート】全国大学生ピアノ選手権の運営に参加した感想

コンクール

全国大学生ピアノ選手権とは、音楽系以外の大学の学生を中心に行われるピアノコンクールで、3人1組のチームによるピアノソロのリレー形式の演奏が行われます。

2025年3月16日に横浜の関内ホールにて開催された第2回本選には全国11の大学から33名の大学生が参加し、素晴らしい演奏が披露されました。

今回は本大会に運営スタッフとして参加した現役大学生の筆者が、現地での様子やスタッフとして参加した感想についてレポートします。

はじめに

はじめまして、第2回全国大学生ピアノ選手権に運営スタッフとして参加しました、現役大学生のくらながです。

私自身幼少期から中学生までクラシックピアノを習っていましたが、最後にコンクールに出たのは10年以上前だったので、当日は久しぶりにコンクールの雰囲気を感じられて非常に懐かしい気持ちになりました。

ピアノを辞めて以来クラシック音楽とは縁遠い生活を送っていたため、当日演奏された曲のすべてを知っていたわけではないのですが、曲を知らなくても演奏を堪能でき、とても充実した1日になりました。

今回は現役大学生の立場から見た全国大学生ピアノ選手権の様子を、ピアノ経験者だけれどもクラシック音楽には疎い筆者の目線でご紹介します!

全国大学生ピアノ選手権とは?

全国大学生ピアノ選手権とは、全国の音大生以外の大学生・院生が対象の新しいピアノ競技会で、今回で2回目の開催となり、3回目の開催も決定しています。

学生は同じ大学内または部活動・サークル・同好会で、3人1組のチームを組み参加します。

このコンクールのポイントは、なんといっても音楽系以外の大学の学生が中心になった本格的な大会であることだと思います。

私が通う大学にもピアノサークルがあり知り合いも所属していますが、あくまでも趣味として学祭などで披露するのがメインというイメージがあったので、彼らが主役の本格的な大会の場が設けられていると知って驚きました。

同じ非音楽系の大学に通う立場としてはこのような大会は、大学受験などのタイミングでピアノをやめてしまった大学生にとって「ピアノを再開してみようかな」「久しぶりに大会に出てみようかな」と思うきっかけになるのではないかと思います。

大会について詳しくは、下記ページをご覧ください。

大会当日の様子

雨の中、大勢のお客様とエネルギッシュな演奏で盛り上がりました!

第2回全国大学生ピアノ選手権は、横浜市の関内ホールにて、熊本大学サークルP-friendsの皆さんの演奏から開幕しました。

関内ホールは1000人規模の立派な大ホールで、選手の皆さんにとって大勢の前で整った環境で演奏できる機会になったと同時に、観客の方々も選手の演奏を十二分に味わえたのではないでしょうか。

当日はあいにくの天候の中、多くの方が足を運んでくださり、選手の演奏に耳を傾けていました。

私も舞台袖から演奏を聴かせてもらいましたが、選手の皆さんが同じチームの学生の演奏を袖から応援している様子や、出番前にお互いに励ましあったりしている様子が印象的でした。

3人1組のチーム戦という珍しい形式の本大会ならではの光景だったと思います。

京都大学音楽研究会器楽部の皆さん

演奏を通じて、選手の皆さんの演奏技術の高さに衝撃を受け、「同年代で非音楽系の大学に通いながらこんなにピアノが弾ける人がいるのか」と驚きました。

演奏されている曲もどれも難易度の高そうな曲ばかりで、知っている曲もあれば知らない曲もありましたが、どれも聴きごたえがある素晴らしい演奏でした。

熊本大学ピアノサークル P-friends(熊本大学)の皆さん

演奏後の選手の皆さんにインタビューを行いお話を伺ったところ、「ピアノを弾くのが楽しい」「これからもピアノを続けたい」とコメントをされる方が多かったのが印象的でした。

幼い頃からピアノを始められている方ばかりなので、20年近く親しんでいる趣味があることは非常に素敵なことだと思いました。

また、やはり非音楽系の大学に通われていることもあり、コンクールに向けた練習と学業との両立も大変だったようです。

私自身所属しているバンドサークルでのライブと大学のテスト期間が被ってしまい非常に苦労した経験があるため、忙しい合間を縫って練習時間を確保し、素晴らしい演奏を披露された学生の皆さんに脱帽しました。

審査委員長のパスカル・ドゥヴァイヨン氏の講評

すべてのサークルの演奏が終了したのちに、審査委員長のパスカル・ドゥヴァイヨン氏から講評をいただきました。

「作曲者は死んだらピアニストがどのように自分の曲を演奏しても口出しはできない。だからピアニストは責任をもって楽曲を理解して演奏する必要がある」というお言葉が印象に残りました。

1日をかけて熱演が続いた本選では11サークルの中から、京都大学音楽研究会器楽部の内田さん、菊地さん、中島さんが見事グランプリに輝きました。

その他の選手権の結果については下記ページをご覧ください。

表彰式後の集合写真

選手の皆さんは表彰式の終了後、壇上で集合写真をとったのちに、審査員の方から大学ごとにご講評をいただいたり、選手同士で写真を撮りあったりするなど、充実した時間を過ごされていました。

▶︎本選動画プレイリストはコチラ

おわり

本大会は非音楽系の学生ピアニストが中心ということもあり、地元にある大学や出身大学が参加していたら音楽にあまり馴染みがなくても大会を身近に感じやすい、という点が魅力だと思いました。

コンサートホールでピアノの演奏を聴いたことがない、という方も、「この大学を応援したい」と思ったらぜひお気軽に大会に足を運んでいただければと思います。

また、当日の楽屋や廊下では選手同士で仲良く写真を撮ったり談笑したりしている様子も見られ、参加される学生の方にとっては他大学のピアニストと交流するよき機会になったのではないかと思います。

非音楽系の大学のピアノサークルに所属されている学生の皆様も、日ごろの練習の成果を発揮できる場になりますし、同じチームのサークル員と親睦を深め他大学のピアノサークルの演奏を聴けるめったにないチャンスだと思います。

気になった方は第3回以降の全国大学生ピアノ選手権に奮ってご参加ください!

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