クラシック作曲家入門~J.Sバッハ~

クラシック音楽紹介

みなさんは「有名なクラシック作曲家」と聞いて誰を思い浮かべるでしょうか?

このブログでは、今回から何回かにわたり、有名なクラシック作曲家を紹介していきます!

第一回で紹介するのは、クラシック作曲家の一人で「音楽の父」とも称されているヨハン・セバスティアン・バッハです。

バッハの曲は現在も世界中で演奏されているので、名前や作品を聴いたことがある方も多いのではないでしょうか?

今回はバッハの生涯や、代表曲などについてご紹介します!

それでは早速見ていきましょう!

バッハの生涯

まずはバッハの生涯についてご紹介します。

バッハはとても厳格な性格をしており、音楽と信仰にひたむきだったと言われています。

生涯で20人の子宝に恵まれ、家庭を大切にしていましたが、こだわりを大切にしているあまり周囲と対立することもあったそうです。

そんなバッハの人生を時系列に沿って説明します!

幼少期~少年期

ヨハン・セバスティアン・バッハは1685年3月21日、現在は東ドイツにあるヴァルトブルク城のふもとの町、アイゼナハで誕生しました。

バッハの一族はこの地域で活躍していた音楽家一族で、父親もこの町の音楽家でした。

7歳前後でラテン語の学校に入学したバッハは成績優秀で、さらにすばらしい美声の持ち主だったと言われています。

9歳で母を失ったバッハはまもなくして父親も亡くなってしまい、オルガニストをしていた長兄のもとにひきとられ、ここでも合唱隊で活躍していました。

青年期

バッハは15歳になると兄のもとを離れて教会の合唱団に所属しましたが、変声期を迎えたことで美声を失ってしまいました。

それ以降彼は伴奏や楽器担当として合唱団で働くようになり、オルガンについて造詣を深めました。

18歳になるとバッハはヴァイオリン奏者として宮廷につかえ、その後オルガニストとして本格的に音楽活動を始めました。

1707年、22歳の時にバッハはミュールハウゼンという街のオルガニストになり、オルガンの演奏のほか、教会音楽を作曲・演奏するようになりました。

23歳のときには宮廷のオルガニストとして働きながら、作曲を行い、現存するほとんどのオルガン曲をこの時代に作曲しました。

壮年期~中年期

楽師長(コンツェルトマイスター)に昇進したバッハはカンタータ(器楽演奏を伴う声楽作品)を次々に作曲しました。

32歳になるとバッハは別の宮廷に移り、世俗音楽をはじめとして、協奏曲、カンタータ等様々な音楽を生み出しました。

1723年、大都市に移り住んだバッハは毎週のようにカンタータを作曲し、教会音楽の名曲を数多く残しました。

高年期

バッハ次第に教会と職務環境などを巡って争うようになり、教会外でも精力的に活動をするようになりました。

昔の時代の音楽様式を研究し、過去の自作を改定するなど、独特の趣を出した作品が生まれました。

晩年のバッハは目に疾患をわずらい手術をするも成功しませんでした。

この時期に大作「フーガの技法」を完成させました。

その後バッハは1750年に脳卒中で65歳で亡くなります。

バッハが残した功績

バッハはバロック音楽の集大成をつくりあげた作曲家とされています。

彼の作品の特徴は、複雑な旋律が調和しながら宗教的な表現を表しており、同時に卓越した演奏技法をもつことです。

また、彼のあつい信仰心がつくりあげた宗教音楽は、聖書の内容を音楽で表現することに非常に長けており、あらたな流れをつくりだしました。

彼の音楽はモーツァルトやベートーベンに影響を与え、のちのクラシック音楽の発展に貢献しました。

また、彼の音楽は19世紀になると再び評価されるようになり、音楽理論や作曲技法のお手本として、クラシック音楽の基礎としての地位を確立しました。

バッハの印象的なエピソード二選!

音楽の父バッハにはいくつか印象的なエピソードがあります。

①コーヒーが大好きだった!?

バッハはコーヒー依存症だったとされており、なんと1日あたり14杯ほどコーヒーをのんでいたそうです。

コーヒー好きが高じたのか、バッハの作品には「コーヒー・カンタータ」という題名の曲が残っています。

②一日400キロ以上歩いたことがある!?

バッハは子供時代、当時最も素晴らしいオルガニストとされていた人物の演奏を聞くために、片道450キロ以上を数日間にわたり歩いたそうです。

バッハはこの演奏を聞いて非常に感銘を受け、作曲技法も変化がうまれたといわれています。

バッハの代表曲10曲を紹介!

続いて、バッハの代表曲を10曲ご紹介します。

それぞれの楽曲について、演奏動画とあわせて楽曲の解説やエピソードもご紹介しますので、ぜひ音源を聴きながらご覧ください。

①管弦楽組曲 第3番 第2楽章 G線上のアリア

この曲は1731年、バッハが40代半ばの時に作られました。

タイトルの「G線上のアリア」とは、このメロディーがバイオリンのG線だけで演奏することができるということを意味しています。

曲中には意図的に不協和音が用いられており、聴くものを寂しく、切ない気持ちにさせます。

現代でもよく用いられる「あえて不協和音を取り入れる」という手法を300年前から採用しているバッハ、さすがの作曲センスといえるでしょう。

②カンタータ 第140番 4. シオンは物見らが歌うのを聴く

バッハが作曲したカンタータの中でも最も有名なのが140番です。

バッハのカンタータは教会で音楽的な説教として使われる教会カンタータとキリスト教の題材にとらられない世俗カンタータがあり、この曲は教会カンタータです。

明るく華やかな雰囲気がある国なので結婚式で使われる曲としても人気です。

③カンタータ第147番 コラール 主よ、人の望みの喜びよ

この教会カンタータは、バッハが1723年に聖母マリアが訪問する祝日を祝うために作曲したと言われています。

この楽曲は17世紀につくられたコラール(プロテスタントのルター派教会で始まった讃美歌)をもとにしています。

3連符の装飾的な動きが特徴のこの作品は、イギリスのピアニストがピアノ用に編曲したものがきっかけで広く親しまれるようになりました。

④マタイ受難曲

マタイ受難曲はバッハが多忙を極めていた音楽監督を務めていた時期に作曲されました。

受難曲とは、受難節(イースター前の日曜日を除く40日間)最終週の金曜日に演奏される音楽です。

バッハが作曲した受難曲の中でもこの楽曲は、自由詩(聖書の記述に基づかない独自の文面)による楽曲の割合が高くなっています。

作品全体の演奏時間が3時間を超える大作ですが、キリスト教を理解する手助けともなる素晴らしい作品です。

⑤小フーガ ト短調 BWV578

この楽曲はバッハによってパイプオルガンのために作曲された作品です。

楽曲時代は短いですが荘厳な雰囲気をもち、同じ主題が繰り返されながら重なり合い発展していく音楽形式(フーガ)が用いられています。

多声音楽の魅力を十分に味わえるこの作品は、学校での音楽教育の題材としてもよく用いられます。

⑥無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュード

この楽曲はバッハが宮廷楽団の音楽長を務めていた1720年ごろに作曲された作品で、最も重要なチェロ作品のひとつとされています。

楽曲形式のプレリュードとは、前奏曲という意味で、一般的に大きな規模の音楽作品の前に演奏されます。

多くの映画やコマーシャルで用いられるこの作品の印象的なイントロは、聞き覚えのある方も多いでしょう。

⑦ブランデンブルク協奏曲

こちらも同じくバッハが宮廷音楽の楽団長を務めていた時代に作曲された協奏曲です。

のちにブランデンブルクという土地の辺境伯にささげられたため、「ブランデンブルク」という名前が曲名に入っています。

この地域の管弦楽団は演奏技術が高かったといわれており、バッハも腕が鳴ったのか、楽曲のクオリティーも非常に高い曲です。

この第6番は3つの楽章から構成されており、ヴィオラが重要なパートを多く務めるのが特徴です。

⑧インヴェンション 第1番 ハ長調 BWV772

この楽曲はバッハが弟子や息子の鍵盤学習のために作曲した作品で、現代でもピアノ学習者の教材として非常に人気です。

また、作曲を学ぶうえで曲の展開や雰囲気をつかむうえでも非常に有用な作品とされています。

音が少なくシンプルな中に、美しさやバッハらしさが詰まっている、芸術性の高い味わい深い楽曲です。

⑨メヌエット ト長調 BWV.Anh.114、ト短調 BWV.Anh.115(伝バッハ)

メヌエットとはバロック時代の踊りの一種で、ゆったりとして3拍子が特徴です。

メヌエットの中でも最も有名なのがこの「メヌエット ト長調 BWV.Anh.114、ト短調 BWV.Anh.115」です。

この楽曲は長年バッハの曲として親しまれてきましたが、実はペツォールトという人物が作曲しており、バッハが紹介したものだと判明しました。

⑩平均律クラヴィーア曲集第1巻:第1曲

この楽曲はバッハの鍵盤音楽の最高傑作のひとつとされており、バロック音楽の作品としても最高峰といわれています。

バッハは当時、音楽教育の発展を志して練習曲としてこの楽曲を作り、音楽家や演奏者が音楽理論を理解し、演奏技術を向上させる手助けをしようとしました。

なかでもこの前奏曲は、穏やかなメロディと活気のあるリズムが調和しており、バッハの作品の魅力を遺憾なく発揮しています。

クラシック作曲家に詳しくなることで、作品をより楽しめます!

今回は音楽の父バッハについて、その生涯や代表作についてご紹介しました。

いかがでしたでしょうか?

バッハの作品は後世の時代に大きな影響を与えており、今でも世界中のクラシック愛好家に親しまれています。

この記事を読んでバッハについて興味をもっていただけたら幸いです。

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またの機会がありましたらぜひご参加ください。

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