普段自分からクラシック音楽を聴く機会はない、という方でもコマーシャルや映画などでクラシック音楽を耳にすることはあるでしょう。
実は私たちが普段目にするコマーシャルには有名なクラシック曲が数多く採用されています。
今回は、皆さんが一度はコマーシャルで聴いたことがあるような定番のクラシック音楽を10曲紹介します!
実際にそのクラシック音楽の音源も紹介するので、ぜひ聴いてみてください!
CMで聴いたことある!おすすめクラシック音楽10選
今回は昔懐かしいCMから2025年現在放送されているCMまで、幅広いコマーシャルから、有名なクラシック音楽10曲を紹介します!
楽曲の音源と併せて、楽曲を使用している企業や楽曲の魅力ポイントも併せてご紹介します!
楽曲についての知識をつけると、CMを見たときに「この曲知ってる!」「これは●●の曲だ!」などとわかってCMを見るのがより楽しくなるかもしれません。
それでは早速見ていきましょう!
①ショパン: 「24の前奏曲より第7番 イ長調」
この曲はショパンによって作曲された前奏曲で、24という曲数はすべての長短調の数を網羅していることを意味します。
日本人の多くはこの曲を「太田胃散」のCM曲として認知しているのではないでしょうか?
太田胃散はこの第7番を50年近くCM曲として使用しており、馴染みが深いと思います。
曲自体は演奏時間が1分未満と非常に短いですが、繊細で上品なメロディとシンプルな構成は、非常にキャッチ―であり、感動的でもあります。
②ビゼー: 「カルメン」より『ハバネラ』
フランス生まれの作曲家ビゼーのオペラ「カルメン」は19世紀のスペインを舞台にしており、女主人公カルメンを取り巻く恋愛模様をドラマチックに描いています。
第1幕で演奏される「ハバネラ」は主人公カルメンが男たちを弄ぶシーンの楽曲で、彼女の自由奔放な恋愛観を表現しています。
「ハバネラ」とはもとはキューバで起こりスペインに伝わった舞曲の名称で、同じ旋律が繰り返されるリズムパターンが特徴的です。
この曲は2024年に三井住友銀行のカード「Olive」のCM曲として使われました。
③プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」より『騎士たちの踊り』
ウクライナ生まれの作曲家プロコフィエフが作曲した「ロミオとジュリエット」は、シェイクスピアの悲劇をバレエ化したもので、全曲を合わせると150分にもなる大作です。
序盤で演奏される「騎士たちの踊り」は威圧的なメロディーが特徴で一度聴いたら忘れられないほどインパクトがあります。
金管楽器が和音を奏で、弦楽器が付点音符のついたメロディを演奏する、という構成にも着目して聴いてみてください。
この楽曲はソフトバンクのCMで使用されていることで有名です。
④チャイコフスキー:「くるみ割り人形」より『葦笛の踊り』
バレエ「くるみ割り人形」はチャイコフスキーによって作られた「三大バレエ」の中の一作品です。
第2幕で演奏される「葦笛の踊り」は主人公のクララが訪れたお菓子の国での踊りの様子を描いています。
「葦笛」はフランス語で「ミリルトン」と呼ばれ、フランスのノルマンディー地方に伝わる伝統菓子の名前と同じです。
この楽曲もソフトバンクのCMとして有名です。
⑤ヴィヴァルディ:「四季」より『冬』
バロック時代のイタリアの作曲家ヴィヴァルディの作品の中でも特に有名なのが組曲「四季」です。
この曲の楽譜には四季折々の自然と人間の営みを描いた14行の詩が綴られ、楽曲も詩の内容を踏まえたものになっています。
第4番の「冬」の中でも特に有名なのが第1楽章の「アレグロ」の部分でしょう。
このパートでは地表が雪と氷に覆われ、冷たい風が吹き荒れる冬の風景が描写されています。
この楽曲はダイハツ「ムーブ」のCMで用いられています。
⑥パッヘルベル:「カノン」
「パッヘルベルのカノン」という名前で有名なこの楽曲ですが、「パッヘルベル」とは作曲者の名前で、「カノン」は楽曲の様式を意味する音楽用語です。
「カノン」は日本語では「輪唱」を意味し、一つのメロディを追いかける形で複数のパートが演奏される「カエルの歌」と同じ形式です。
この曲が作られたのは300年以上前ですが、1970年にアメリカのラジオで流れたことを機に大衆に親しまれるようになりました。
今では「カノンを弾きたくてバイオリンを習い始めた」という方が数多くいるほど人気の楽曲です。
この曲のピアノアレンジがヤマザキパンの「ロイヤルブレッド」のCMで用いられています。
⑦エリック・サティ:「ピカデリー」
19世紀フランスの作曲家エリック・サティによって作られた「ピカデリー」はケークウォークと呼ばれる、同じパターンを繰り返すメロディーと独特の強弱が特徴の曲調です。
タイトルの「ピカデリー」とはイギリス・ロンドンにある有名な繁華街の通りの名前で、映画館や劇場があることでも有名です。
作曲者のサティは「異端児」と呼ばれるほど突拍子もないエピソードが数多くあります。
この楽曲は花王やダイハツのキャンバスのCMで用いられています。
⑧サン・サーンス:「動物の謝肉祭」より『水族館』
この曲はフランスの作曲家サン・サーンスによって作られた組曲「動物の謝肉祭」の第7曲目の楽曲です。
グラスハーモニカやピアノなどのキラキラとした音とフルートやヴァイオリンの優雅な音色が特徴で、水槽の水と泡、そしてそこで美しく泳ぐ魚たちの様子が目に浮かぶようです。
サーンスはプライベートな夜会での演奏を目的としてこの楽曲を作ったと考えられており、有名な13曲目の「白鳥」以外は彼の生前は出版を禁止されていたそうです。
この楽曲はau「鶴のスワイプ」で使用されています。
⑨サティ:「グノシエンヌ第3番」(アルコン綾野剛)
この楽曲は20世紀の初めにフランスで活躍した作曲家エリック・サティによって作られた代表作「3つのグノシエンヌ」の中の1曲です。
タイトルである「グノシエンヌ」はサティの造語とされていますが、語源は古代ギリシアで古都を意味する「グノーソス」ではないかという一説があります。
この第3番では、ギリシャ風の曲調と節回しが特徴です。
この楽曲はアルコンのCMで使用されています。
⑩ヨハンシュトラウス2世:「春の声」
ヨハンシュトラウスはオーストリアのウィーンで活躍した作曲家で数多くのワルツを作曲したことで有名です。
「春の声」は彼が57歳のときに書いた曲で、春が来てヒバリやナイチンゲールの歌声が一日中聞こえるような生き生きとした様子が描かれています。
躍動感のあるワルツのリズムは、冬が終わり春が訪れるとともに、新しい生命が芽吹き新たな人生が始める希望に満ち溢れた様子を想起させます。
この楽曲は象印の炊飯器のCMで用いられました。
CMで聴いたクラシックも背景を知ることでより楽しめます!
今回は皆さんがCMで一度は耳にしたことがあるようなクラシック音楽を10曲紹介しました!
聴いたことあるクラシック音楽も楽曲の背景を知ることでまた違った聴き方ができると思います。
その他にもCMで使われているクラシック音楽には有名なものが数多くありますので、気になる方はぜひ調べてみてください!